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老後生活の備えに。メリット豊富な「農業者年金」制度とは?

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一般社団法人大分県農業会議
2024/3/13 13:362024/3/13 13:36 更新)

 一定収入を長期に渡って受け取れる公的年金は高齢化社会が進展する中で「老後生活の頼り」となる制度。一方、農業者などの自営業者は“上乗せ年金”に加入しない限り「国民年金(基礎年金)」しか受け取れない。「農業者年金」は、そんな農業者のための上乗せ年金の一つだ。本記事では、その仕組みやメリットについて紹介する。

農業者年金ってどんな制度?

 「農業者年金」は、農業従事者のうち、自営農業に従事する個人が加入できる年金制度。積み立て方式かつ、確定拠出型のため、少子高齢時代に強い年金といえる。

 農業者は平均よりも寿命・余命が長いと言われている(※1)。国民年金の年金額(※2)は1人月額約6万6千円、夫婦2人で月額約13万円が支給されているが、高齢農家夫婦の現金支出は月額約22万円。国民年金のみでは老後生活をまかなえないのが現状だ。老後の家計費不足を解消するために「農業者年金」の必要性が高まっている。

※1 全国農業図書「R05-06 【リーフ】2023年版 農業者年金 年金の仕組みとメリット」より
※2 令和5年4月時点

豊富な加入メリット

(1)積み立て方式・確定拠出型
 将来受け取る年金額は、加入者の積み立てた保険料と運用実績により決定。毎年度の積み立て、運用状況は毎年確認できる。

(2)保険料の額は自由に決められる
 通常加入の場合、保険料は月額2万円~6万7千円まで千円単位で自由に選択可。加入後いつでも見直すことができる(保険料の国庫補助を受ける場合、保険料は月額2万円に固定)。

(3)支払った保険料が節税につながる
 家族の分も含めて全額が社会保険料控除の対象となり、所得税、住民税、復興特別所得税の節税となる。運用益も非課税。

(4)終身年金。80歳前に亡くなっても遺族に死亡一時金を支給
 かけた保険料は年金として生涯もらえるため、老後一定の収入確保が可能に。80歳前になくなった場合でも、死亡した翌月から80歳までに受け取れる予定だった農業者老齢年金の現在価値に相当する額が遺族に支給される。

(5)条件を満たすと月額最大1万円の保険料の国庫補助あり
 以下条件を満たすと国庫補助の対象となる。
・60歳までに保険料納付期間等(カラ期間含む)が20年以上見込まれる(39歳までに加入)
・農業所得が900万円以下
・表「政策支援加入の対象者と補助額」の「必要な要件」に該当

全国農業図書「R05-06 【リーフ】2023年版 農業者年金 年金の仕組みとメリット」より

(6)農業者なら広く加入できる
 次の3つの要件を満たす人は誰でも加入可。加入・脱退は任意だが、脱退一時金はなし。かけた保険料は将来年金として支給される。

加入するための要件

(1)20歳以上65歳未満
(2)年間60日以上農業に従事
(3)国民年金第1号被保険者(免除者除く)
※ただし、60歳以上は国民年金の任意加入被保険者

 「農業者年金」は、農業経営者をはじめ、自営業を営む兼業農家や農家のアルバイト、小規模菜園を営む人など、農業に関わる人なら誰でも加入できる点が大きなポイント。農業従事者はもちろん、農業に興味がある人にとって有益な制度である。

【シミュレーション】あなたの年金はどのくらい?

 国庫補助額とその運用益も、個人ごとに積み立てられ、要件を満たせば自分の年金として受け取ることが可能。また自分で積み立てた分は、無条件で65歳から75歳の間で自身が選択したときから受給することができるので、本人の体力などに応じて受給時期を決めることができる。

 下記の表は、運用利回り2.5%の場合の想定受給額の試算表である。

 農業者年金基金のウェブサイトでは、年金シミュレーターが公開されており、自分自身がどのくらいもらえるかの試算が可能。興味のある人は、下記のリンクからシミュレーターで試算をおこなってみては。

加入者に聞いた「農業者年金」に入って良かったこと

左から、平井茜さん、平井聡さん

 話を聞いたのは、大分県豊後大野市で農業を営む平井さん夫婦。就農して5年。ピーマン(面積15アール)をメインに、冬作でちぢみほうれん草(面積7アール)を栽培している。

 平井さんは農業者年金に加入したきっかけについて「就農2年目の時に豊後大野市農業委員会からハガキが届いた」と振り返り、「保険料が全額経費で落とせる=節税になり、貯金感覚で老後のお金を貯められるのがいい」と加入の決め手を明かした。未加入者に対して「気になっている人は早めに相談した方がいい。早く加入して損はない」とし、「農家は保障がないので、自分たちでしっかりと備えなくてはいけない。老後いつまでも現役で働けるわけではないので、そうなった時に農業者年金はありがたい存在だと思う」と話した。

 加入までの流れ、問い合わせは独立行政法人農業者年金基金ホームページからチェック。市役所・役場の農業委員会もしくは、最寄りのJAでも相談可能だ。

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