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「訪れる人との交流が大事」 時代の変化に寄り添う「清谷寺」住職の思いとは

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清谷寺
2024/4/30 9:372024/4/30 9:37 更新)

 福岡市に隣接する久山町は、豊かな自然に恵まれた心休まる町。多くの史跡があるほか、大型ショッピングモールやレジャー施設など、さまざまなスポットが点在している。「清谷寺(せいこくじ)」は、そんな久山町にて1,300年の歴史を持つ禅寺。永代供養を行うなど、時代の変化に合わせた取り組みを行っている。今回住職である柴田自戒さんにインタビューを実施。「清谷寺」のほか、柴田さん自身について話を聞いた。

 「清谷寺」は、福岡県久山町に位置する臨済宗妙心寺派の寺院。福岡市内から車で約30分、トリアス久山(コストコ)から徒歩10分ほどの閑静な場所に所在している。博多聖福寺の末寺で享禄2(1529)年に創建されたと伝えられているが、開創以来の歴史は明らかとなっていない。

(本堂。左から地蔵菩薩立像、本尊釈迦如来坐像、十一面観音立像)

 本堂には本尊釈迦如来坐像のほか、平安時代に造像された十一面観音立像、地蔵菩薩立像が祭られ、仏像の前で法要や坐禅会など、禅宗寺院としての活動が行われている。本堂の左側には納骨堂と永代供養塔があり、さらに左側には観音堂がある。
 現在、住職を務めるのは19代目・柴田自戒さん(以下、柴田さん)。気さくで、あたたかい人柄が印象的だ。柴田さんは自身について「このお寺で生まれ育ちました。京都府にある臨済宗妙心寺派の『花園大学』に進学して仏教を修学し、卒業後は大分県の高崎山に別院がある『萬壽寺』で修行に励みました。昔はお寺を継ぐつもりがなかったので、学生生活や修行は本当に大変で…(笑)。今となっては1つのことに必死になるという経験を若いうちにして良かったです。その後の生き方に良い影響を与えてくれています」と振り返った。

(19代目住職の柴田さん。よく笑う、飾らない姿が印象的)

 柴田さんは父であり、18代目住職である柴田昭道さんから「清谷寺」を引き継いだ。「お寺のために色々と協力してくれた方がたくさんいて、このお寺をどうにかしていきたいという思いから決意しました。今は次の世代に引き継いでいけるよう、目の前にある物事を一つ一つやり遂げていきたいです」と話した。
 「清谷寺」では、先代より坐禅会を開催している。臨済宗妙心寺派は、禅問答という答えのない答えについて坐禅を組みながら考えることを重んじる宗派だ。「坐禅会では姿勢や呼吸、心を整えて自分の中の悩みと向き合います。自分自身を整える機会を設けることはとても大切なことです。悩んでいる時は、姿勢、呼吸、心が乱れていますので」と話す。参加者は福岡県内各所から訪れている。久山町まで足を運ぶ参加者や参詣者とのコミュニケーションを大切にしているという柴田さん。「坐禅が終わったら来られた方とお話しすることが多いです。個人的には、仏教的な教えを主張しすぎるのもどうなんだと思うので、訪れる人たちとの交流は大事にしつつ、教えや考えをあまり押し付けないことを心がけています」と胸のうちを明かした。坐禅会のほかには、小学生が社会科見学に来たり、毎年7月に「おひごもり」というお祭りが開催されたりと地域の人々とのつながりを大切にしている様子が伺えた。

(柴田さんと園児たち)

 令和6年3月から休園しているが、禅宗寺院としての活動の一方で、平成22(2010)年からは「せいこく保育園」の運営も行っていた。保育の一環として坐禅や習字を取り入れ、情操教育に力を入れていた。柴田さんは「姿勢が良く、挨拶、丁寧な言葉遣いができる、自信のある子を育てることを目標としていました。保育園は人生の基礎です。人生の基礎をしっかりと育てていく事で、小学校、中学校、大学まで、しっかりと歩んでいけます。子どもたちを育てるのは、指導するのではなく環境です。環境を整え、子ども達が自然と育っていくにはどのようにするべきかをよく考えていました。環境が整えば再開したいと思っています」と思い返した。

(柴田さん作の切り絵「風神雷神」)

 これまでお寺と保育園を兼業していた柴田さん。忙しい中での自分の時間(趣味)を尋ねると「切り絵です。お釈迦様などを作っています。以前作った風神雷神は傑作です!」と嬉しそうに話した。切り絵はモビールにしているそうで、モビール作家の作品を見て「仏教の教えをモービルにしたら面白いのでは」と思ったのがきっかけだった。「切り絵をする時は嫌なことを忘れられるので癒やされます。インスタグラムにも切り絵をアップしているので、これをきっかけに神や仏、僧を知ってもらえたらと思います」と話した。

(永代納骨堂「薬師堂」)

 「清谷寺」境内には、永代供養塔「霊應塔」と永代納骨堂「薬師堂」がある。「永代供養」とは遺族に代わって寺院が遺骨を管理・供養を行うことだ。近年の少子高齢化に伴い、永代供養に関する相談が増えたことにより建設された。
 「薬師堂」は2024年3月に完成。木造建築かつ耐火構造で、堂内は木のぬくもりを感じる明るい空間だ。また、スロープが設置され、車椅子でも通れるように配慮されている。本尊は「薬師如来坐像」。名称はその名から付けられた。「薬師如来坐像は病や災いから人々を救う仏と言われています。四十九日の最後には故人の苦しみを救ってくださるとも言われていますよ」と話す。
 安骨期間は13年、33年、50年。生前予約も受け付けている。家族3人・安骨期間33年で生前予約をした場合、最後の1人が納骨されてから、3人分の遺骨が33年間安骨される仕組みだ。柴田さんは「生前予約は跡継ぎがいない方、身寄りのない方のために設けました。安骨期間の仕組みを考えると家族でも入りやすいと思います。また、宗旨宗派不問のため無宗教の人も入れます。現在、生前予約や見学が増えていますよ。静かで落ち着いた場所なのでゆっくりお参りできるのではないでしょうか」と話した。
 「清谷寺」の境内には、樹齢100年以上の銀杏の木、梅の木、紅葉の木があり、季節になると庭に彩りをそえる。市内からもアクセスしやすいので、一度参詣や見学に訪れてみては。

【清谷寺 概要】
住所:福岡県糟屋郡久山町山田651
電話番号:092-976-0505

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